【簿記2級 過去問解説】第152回 問3(商業簿記:貸借対照表)
「簿記2級検定試験 2019年度 第152回 問3(商業簿記:貸借対照表)」の解答・解説です。(試験問題文は著作権上掲載できませんので、お手元にご用意ください。)
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前提情報
当問の前提情報として資料Ⅰ〜Ⅲの情報が与えられており、これらの決算修正仕訳と決算整理仕訳をまとめると下記のようになります。
上記の仕訳さえできれば9割回答し終わったようなものですので、資料情報の仕訳は繰り返し練習することをおすすめします。
次に、上記の仕訳を踏まえて貸借対象表の空欄(1)〜(24)について解説していきます。
(1)現金及び預金
解答は下記の通りです。
決算整理前残高試算表の現金預金勘定と、資料2-2にある未処理だった売掛金の決算修正仕訳を踏まえ、貸借対照表の現金及び預金の金額を算出します。
(2)売掛金
解答は下記の通りです。
決算整理前残高試算表の売掛金勘定と、資料2-2にある未処理だった売掛金の決算修正仕訳を踏まえ、貸借対照表の売掛金の金額を算出します。
(3)貸倒引当金
解答は下記の通りです。
決算整理前残高試算表の貸倒引当金勘定と、資料3-2にある貸倒引当金繰入の決算整理仕訳を踏まえ、貸借対照表の貸倒引当金の金額を算出します。
(4)貸倒引当金
解答は下記の通りです。
決算整理前残高試算表の繰越商品勘定と、資料3-1にある繰越商品勘定の決算整理仕訳を踏まえ、貸借対照表の繰越商品勘定の金額を算出します。
(5)未収入金
解答は下記の通りです。
未収入金は、20X9年4月末日に入金が決定した火災未決算勘定¥1,540,000のみなので、これを転記すればOKです。
(6)流動資産合計
解答は下記の通りです。
流動資産合計は、前述の(1)〜(5)の合計額になります。
(7)建物減価償却累計額
解答は下記の通りです。
決算整理前残高試算表の建物減価償却累計額と、資料3-3にある建物減価償却累計額(定額法により算出)の決算整理仕訳を踏まえ、貸借対照表の建物減価償却累計額の金額を算出します。
(8)備品減価償却累計額
解答は下記の通りです。
備品は当期首に取得したものなので当期の決算整理前残高試算表に備品減価償却累計額はありません。
資料3-3にある当期分の備品減価償却累計額(定額法により算出)の決算整理仕訳を踏まえ、貸借対照表の備品減価償却累計額の金額を算出します。
(9)投資有価証券
解答は下記の通りです。
資料3−6よりその他有価証券の当期末の時価が¥7,700,000であることが記載されているので、これを転記すればOK。
(10)長期貸付金の貸倒引当金
解答は下記の通りです。
決算整理前残高試算表の長期貸付金と、資料3-5にある貸付金の貸倒引当率15%を踏まえ、貸借対照表の長期貸付金の貸倒引当金の金額を算出します。
(11)固定資産合計
解答は下記の通りです。
貸借対照表の各固定資産額を単純に合算すればOKです。
(12)資産合計
解答は下記の通りです。
貸借対照表における資産合計は、流動資産・固定資産の合計金額になります。
(13)未払法人税等
解答は下記の通りです。
資料3-7より法人税、住民税及び事業税が¥2,054,000と与えられており、ここから決算整理前法人税に記載された仮払法人税等¥720,000を差し引けば、未払法人税等が算出できます。
(14)未払消費税
解答は下記の通りです。
決算整理前残高試算表の仮受消費税と仮払消費税の差額を算出すればOKです。
(15)流動負債合計
解答は下記の通りです。
算出した各流動負債を単純に合算すればOKです。
(16)繰延税金負債((17)固定負債合計)
解答は下記の通りです。
決算整理事項3,5,6の整理仕訳が適切に行えていないと正しい金額が算出できないため、当問で一番難しい問題です。
税効果会計を適用して、「損金参入限度超過額」に対し繰延税金資産を計上する点、「その他有価証券の取得原価〜期末時価の差額(期末時価が取得原価より大きくなった場合)」に繰延税金負債を計上する点が特に重要です。
当問の税効果会計の仕訳パターンは頻出なので、暗記するくらい何度も練習することをお勧めします。
(18)負債合計
解答は下記の通りです。
貸借対照表の流動負債と固定負債を単純に合算すればOKです。
次の純資産の部(貸借対照表)ですが、正攻法(繰越利益剰余金を決算整理仕訳・修正仕訳から算出する方法)で解こうとすると非常に時間がかかり、さらに計算ミスをしやすいです。
そのため当記事では短時間かつ高精度で解ける、貸借対照表の性質【資産合計=負債純資産合計】を利用した解法で解きます。
まずは(19)(20)を飛ばして(21)その他有価証券評価差額金から算出します。
(21)その他有価証券評価差額金((22)評価・換算差額等合計)
(23)純資産合計
解答は下記の通りです。
貸借対照表の性質【資産合計=負債純資産合計】を利用することで、短時間かつ高精度で純資産合計を算出することができます。
次に、算出した純資産合計から評価・換算額等合計を差し引いて株主資本合計を算出します。
(20)株主資本合計
解答は下記の通りです。
前述の通り、純資産合計から評価・換算額等合計を差し引いて株主資本合計を算出します。
(19)繰越利益剰余金
解答は下記の通りです。
最後に、株主資本合計から資本金を差し引けば繰越利益剰余金を簡単に算出できます。
以上、”簿記2級試験 第152回 問3(商業簿記:貸借対照表)“の解答・解説・ポイントでした。
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ではまた、次の問題の解答・解説でお会いしましょう(*´ω`)ノシ
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