【簿記2級 過去問解説】第153回 問3 パート2(商業簿記:連結精算表問題)

守る力

簿記2級検定試験 2019年度 第153回 問3パート2(商業簿記:連結精算表問題)」の解答・解説です。(試験問題文は著作権上掲載できませんので、お手元にご用意ください。)

当記事「第153回問3パート2(商業簿記:連結精算表問題)」では、前記事のパート1で作成・解説した「子会社財務状況のタイムテーブル」と「連結修正仕訳」を用いて解答・解説を行います。

なお、当記事の画像は全てクリックで拡大できますので、ご自身の端末に合わせて拡大してご覧ください。

連結修正仕訳とタイムテーブル

当問の前提情報を踏まえて作成した連結修正仕訳S社財務状況のタイムテーブルは下記のようになります。


上記の情報を踏まえ、解答・解説を行なっていきます。

解答・解説

解答の全容は下記のようになります。各勘定科目ごとに(1)〜(38)の番号を振っており、番号順に解答・解説を行なっていきます。

(1)現金預金

現金預金については修正仕訳が発生してないので、単純にP社・S社の個別財務諸表の金額を合算すればOKです。

(2)売掛金

売掛金については修正仕訳が発生しています。下記の修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(3)売掛金

売掛金については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(4)原材料

原材料については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(5)仕掛品

仕掛品については修正仕訳が発生してないので、単純にP社・S社の個別財務諸表の金額を合算すればOKです。

(6)未収入金

未収入金については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(7)前払費用

前払費用については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(8)土地

土地については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(9)建物〜(12)機械装置減価償却累計額

(9)建物〜(12)機械装置減価償却累計額については修正仕訳が発生してないので、単純にP社・S社の個別財務諸表の金額を合算すればOKです。

(13)のれん

のれんについてはタイムテーブルの情報を参照します。下記のようにタイムテーブル(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(14)子会社株式

子会社株式については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(15)資産合計

資産合計は単純に(1)〜(14)の合算値になります。

(16)支払手形

支払手形については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(17)買掛金

買掛金については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(18)借入金

借入金については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(19)未払金

未払金については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(20)未払法人税等〜(21)未払費用

(20)未払法人税等〜(21)未払費用については修正仕訳が発生してないので、単純にP社・S社の個別財務諸表の金額を合算すればOKです。

(22)資本金

資本金については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(23)資本剰余金

資本剰余金については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

続けて(24)利益剰余金の計算を行いたいところですが、先に損益計算書の「(38)親会社株主に帰属する当期純利益」を算出しないと計算ができないため、(38)親会社株主に帰属する当期純利益の計算の後に行います。

(25)非支配株主持分

非支配株主持分については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

続けて(26)負債純資産合計の計算を行いたいところですが、先に(24)利益剰余金を算出しないと計算ができないため、(24)利益剰余金の後に計算を行います。

(27)売上高

売上高については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(28)売上原価

売上原価については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(29)販売費及び一般管理費

(29)販売費及び一般管理費については修正仕訳が発生してないので、単純にP社・S社の個別財務諸表の金額を合算すればOKです。

(30)のれん償却

のれん償却については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(31)受取利息

受取利息については修正仕訳が発生してないので、単純にP社・S社の個別財務諸表の金額を合算すればOKです。

(32)支払利息

支払利息については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(33)手形売却損

手形売却損については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(34)土地売却益

土地売却益については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(35)法人税、住民税及び事業税

法人税、住民税及び事業税については修正仕訳が発生してないので、単純にP社・S社の個別財務諸表の金額を合算すればOKです。

(36)当期純利益

当期純利益については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(37)非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(38)親会社株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益については修正仕訳が発生しています。下記のように修正仕訳(赤枠部分)を踏まえて連携財務諸表の金額を算出します。

(24)利益剰余金

利益剰余金は、損益計算書の「親会社株式に帰属する当期純利益」と連結修正仕訳(赤枠部分)の両方を考慮する必要があります。

(26)負債純資産合計

負債純資産合計は、(16)〜(25)の修正・消去仕訳の合計と、個別財務諸表のP社・S社の金額を合算して算出します。

以上、”簿記2級試験 第153回 問3パート2(商業簿記:連結精算表問題)でした。

子会社財務状況のタイムテーブル連結修正仕訳さえ作成してしまえば、あとはそれらの情報を転記するだけで完答できるのが連結会計問題です。

前回のパート1子会社財務状況のタイムテーブル連結修正仕訳作成プロセスを詳細に説明しているので、ぜひ熟読して頂ければと思います。

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【簿記2級 過去問解説】第153回 問4(工業簿記:本社工場会計)