【簿記2級 過去問解説】第153回 問1(商業簿記:仕訳問題)

守る力

簿記2級検定試験 2019年度 第153回 問1(商業簿記:仕訳問題)」の解答・解説です。(試験問題文は著作権上掲載できませんので、お手元にご用意ください。)

各問の解答・解説に入る前に、まず当問題を解く上で重要な前提情報を把握しておきましょう。

なお、当記事の画像は全てクリックで拡大できますので、ご自身の端末に合わせて拡大してご覧ください。

1.研究開発費の仕訳の解答・解説

当問の解答・解説は下記の通りです。

当問のポイントは、研究開発に関わる人と物は全て研究開発費勘定で計上するという点です。

2.回収不能債権の仕訳の解答・解説

当問の解答・解説は下記の通りです。

回収不能になった債権が当期発生のものならば貸倒損失前期発生のものならば貸倒引当金を充当します。

当問の場合、前期発生の分が¥400,000ですが貸倒引当金が¥320,000と足りないので、残りの¥80,000と当期の貸倒損失¥200,000を併せて、貸倒損失¥280,000として計上します。

3.圧縮記帳の仕訳の解答・解説

当問の解答・解説は下記の通りです。


圧縮記帳とは、会社が国などから補助金や保険金などを得て固定資産を取得した時に、固定資産の取得額を減額して収益と相殺し、取得年度の税負担を軽減する方法です。

ただ、圧縮記帳は課税関係を将来に繰り延べる制度で、あくまで税金を単年で納付することがなくなるだけで免除されるわけではありませんので、注意しましょう。

圧縮記帳の対象になるのは、主に下記の3種類です。

  • 国庫補助金
  • 工事負担金
  • 保険差益

圧縮記帳による控除方式は複数ありますが、簿記2級の範囲では固定資産の取得原価から直接減額させる直接控除方式のみが対象となっています。

当問の場合、固定資産の取得原価¥3,600,000から国からの補助金¥1,800,000を固定資産圧縮損として計上します。

なお、記帳は固定資産である備品勘定を固定資産圧縮損に振り替える形で記帳します。

減価償却は、備品の取得原価から固定資産圧縮損を差し引いた金額に対して行います。

償却期間は備品の取得日6月1日〜決算日12月31日までの7ヶ月間である点に注意しましょう。

4.圧縮記帳の仕訳の解答・解説

当問の解答・解説は下記の通りです。

買掛金電子記録債権に振り替える仕訳を行います。

5.会社法に定める利益準備金積立の仕訳の解答・解説

当問の解答・解説は下記の通りです。


当問では、別途積立金¥18,000,000を繰越利益剰余金に取り崩す仕訳と、未払配当金¥20,000,000と利益準備金¥1,000,000を繰越利益剰余金に積み立てる仕訳を記帳します。

当問のポイントは、会社法に定められる利益準備金の計算方法です。

利益準備金は下記のいずれか小さい方を積み立てるよう、会社法で定められています。

  • ①資本金✖️0.25ー(資本準備金+利益準備金)
  • ②未払配当金✖️0.1

当問の場合、上記①¥1,000,000の方が②¥2,000,000より小さいため、①¥1,000,000を適用します。

利益準備金は法定準備金のひとつで、資本準備金とともに会社法で企業が積み立てることを義務付けられています

企業は利益剰余金など剰余金の一部を株主に配当しますが、資本準備金と合わせて資本金の4分の1に達するまで、配当金額の10分の1を積み立てなければなりません。

以上、”簿記2級試験 第153回 問1(商業簿記:仕訳問題)“の解答・解説・ポイントでした。

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