【簿記2級 過去問解説】第156回 問4(工業簿記:仕掛品勘定と月次損益計算書)

守る力

簿記2級検定試験 2020年度 第156回 問4(工業簿記:仕掛品勘定と月次損益計算書)解答・解説です。(試験問題文は著作権上掲載できませんので、お手元にご用意ください。)

各問の解答・解説に入る前に、まず当問題を解く上で重要な前提情報を把握しておきましょう。

なお、当記事の画像は全てクリックで拡大できますので、ご自身の端末に合わせて拡大してご覧ください。

問題の前提情報

当問題の前提情報を下記に示します。

なお、製造間接費は直接作業時間を配賦基準として予定配賦し、配賦差異は売上原価に賦課するものとする。

上記の前提情報を踏まえ、各問の解答・解説を行います。

問4:仕掛品勘定の解答・解説

仕掛品勘定全体の解答は下記のようになります。

上記の各勘定の計算過程について、順に解説します。

月初有高(仕掛品)


月初有高(仕掛品)については既に前提情報が与えられていますので、そのまま転記すればOKです。

直接材料(仕掛品)



直接材料(仕掛品)については、直接材料である素材部品当月消費高を計上します。

直接労務費(仕掛品)



直接労務費(仕掛品)は、前提情報として与えられている直接作業時間2,600[時間]と指定の賃率1,300[円/時間]にて計算します。

製造間接費(仕掛品)



製造間接費は直接作業時間を配賦基準として予定配賦し、配賦差異は売上原価に賦課するという前提であるから、賃率は予定配布率にて計算します。

月末有高(仕掛品)


月末有高(仕掛品)については既に前提情報が与えられていますので、そのまま転記すればOKです。

当月完成高(仕掛品)


当月完成高(仕掛品)は仕掛品の貸借差額より算出します。

問4:月次損益計算書の解答・解説

月次損益計算書全体の解答は下記のようになります。

上記の各勘定の計算過程について、順に解説します。

月初製品有高(月次損益計算書)


月初製品有高(月次損益計算書)については既に前提情報が与えられていますので、そのまま転記すればOKです。

当月製品製造原価(月次損益計算書)


当月製品製造原価(月次損益計算書)は、当月に完成した仕掛品の総額になりますので、当月完成高(仕掛品)の値を転記すればOKです。

月末製品有高(月次損益計算書)


月末製品有高(月次損益計算書)については既に前提情報が与えられていますので、そのまま転記すればOKです。

原価差異(月次損益計算書)

原価差異とは実際発生額予定配賦額との差額のことです。

当問の場合、予定配賦しているのは製造間接費のみなので、製造間接費(実際発生額)を算出し、製造間接費(予定配賦額)との差額を計算する必要があります。

製造間接費として計上されるのは、工場消耗品費電力料金保険料減価償却費水道料金、それと燃料費直接工の間接労務費間接工賃金の8項目です。



当問では特別複雑な計算はありませんが、原価差異について理解しておく必要があります。

予定配賦額とは、あくまでこれまでの実績などから算出した計画上の原価です。

そのため、実際にかかった原価(実際原価)とはどうしてもズレが生じます。

予定配賦額よりも実際原価の方が高いとその分だけ利益が少なくなりますので、この原価差異を定期的に算出・分析することは、企業の経営改善を行う上で非常に重要なものになります。(原価差異分析と言います。)

以上、”簿記2級試験 第156回 問4(工業簿記:仕掛品勘定と月次損益計算書)“の解答・解説・ポイントでした。

もし当記事の解説でわからないことがあれば、随時補足させて頂きますので、画面右下のTwitterまたは画面下のお問合せフォームからご連絡下さいm(_ _)m

また、短期間で簿記の知識を体系的に身につけたい方は、電話メール質問し放題クレアールがおすすめです♫

私も受講しましたが、少しでも分からなければすぐに質問することで悩む時間を短縮し、効率的に学習を進めることができます
(↓↓↓クレアールのサイトはこちら↓↓↓)
クレアール

ではまた、次の問題の解答・解説でお会いしましょう(*´ω`)ノシ 

↓↓↓次の問題↓↓↓
【簿記2級 過去問解説】第156回 問5(工業簿記:原価計算法の穴埋問題)