【簿記2級 過去問解説】第157回 問3-1(損益計算書)

守る力

簿記2級検定試験 2020年度 第157回 問3-1(損益計算書)解答・解説です。(試験問題文は著作権上掲載できませんので、お手元にご用意ください。)

まず解答・解説を示した後、問題を解くに当たってのポイントをまとめておりますので、ぜひ当記事の最後までご覧下さい。

当設問の前提条件

第157回 簿記2級検定試験 問3の前提条件として、「法人税、住民税及び事業税」および「税効果会計」は考慮しないものとします。

問3-1:損益計算書の作成の解答・解説

問3-1:損益計算書の作成問題解答・解説を、下記に示します。

1.資料2の各事項の仕訳

問題を解くにあたって、問題文の資料2で提示されている事項の仕訳を行なっておきます。

予めこれら事項の仕訳を行なっておくことで、解答のスピード・正確性格段に向上します

資料2で提示されている事項の仕訳を下記に示します。(下記画像も含め、当記事の画像は全てクリックで拡大できます

上記に示す資料2の事項1〜9の仕訳と、資料1(20X9年2月末現在の残高試算表)の情報を用いて、損益計算における各勘定の金額を算出していきます。

2.売上高の算出

解答および計算過程は下記の通りです。

資料2の事項1〜9の仕訳を予め行なっておくことで、資料1(残高試算表)の情報と併せて損益計算書の売上高を簡単に算出できます。

3.売上原価の算出

解答および計算過程は下記の通りです。

なお、売上原価の算出は棚卸減耗損製造間接費配布差異も算出する必要があり、問3-1において一番難しい問題です。


上記売上原価の計算にて計上した”売上原価(製品の棚卸減耗損)“と”売上原価(製造間接費配布差異)“の算出方法を下記に示します。

まず、売上原価(製品の棚卸減耗損)の算出に用いる仕訳計算過程を下記に示します。


売上原価(製造間接費配布差異)の算出に用いる仕訳計算過程を下記に示します。


資料2の事項1〜9の仕訳を予め行なっておくことで、資料1(残高試算表)の情報と併せて損益計算書の売上原価を簡単に算出できます。

4.売上総利益の算出

解答および計算過程は下記の通りです。

5.販売費の算出

解答および計算過程は下記の通りです。


資料2の事項1〜9の仕訳を予め行なっておくことで、資料1(残高試算表)の情報と併せて損益計算書の販売費を簡単に算出できます。

6.減価償却費の算出

解答および計算過程は下記の通りです。


資料2の事項1〜9の仕訳を予め行なっておくことで、資料1(残高試算表)の情報と併せて損益計算書の減価償却費を簡単に算出できます。

7.退職給付費用の算出

解答および計算過程は下記の通りです。


資料2の事項1〜9の仕訳を予め行なっておくことで、資料1(残高試算表)の情報と併せて損益計算書の退職給付費用を簡単に算出できます。

8.貸倒引当金繰入金額の算出

解答および計算過程は下記の通りです。

資料2の事項1〜9の仕訳を予め行なっておくことで、資料1(残高試算表)の情報と併せて損益計算書の貸倒引当金繰入額を算出できます。

9.営業利益の算出

解答および計算過程は下記の通りです。

10.有価証券利息の算出

解答および計算過程は下記の通りです。


資料2の事項1〜9の仕訳を予め行なっておくことで、資料1(残高試算表)の情報と併せて損益計算書の有価証券利息を算出できます。

11.製品保証引当金戻入金額の算出

解答および計算過程は下記の通りです。


資料2の事項1〜9の仕訳を予め行なっておくことで、資料1(残高試算表)の情報と併せて損益計算書の製品保証引当金戻入金額を算出できます。

12.当期純利益の算出

解答および計算過程は下記の通りです。

以上、簿記2級検定 第157回 問3-1(損益計算書)の解答・解説になります。

問題を解くに当たってのポイント

当問題を解く上でのポイントは下記の3つです。

1.製造間接費配布差異の計算方法

製造間接費配布差異とは、売上原価の1つである製造間接費の予定配布額実際発生額との差額のことです。

当問の場合、資料2で示されるように3月に発生した実際発生額(材料・建物の棚卸減耗損や、機械装置の減価償却費、退職給付引当金が該当)が複数あります。

そのため、製造間接費配布差異を求める際にはそれらの製造間接費を考慮する必要があります。

2.製造間接費として計上するもの

製造に関わる建物や機械装置の減価償却費は、直接製品を構成するようなものではないため、製造間接費費用勘定で計上します。

また、退職給付引当金についても製造活動に関わるもの製造間接費費用勘定で計上します。

3.償却原価法

満期保有目的債権を、額面金額より低い価額で取得した場合に、その差額利息として扱います。

その利息は、債権取得日から満期日までの期間で割った金額を、毎期均等利息として計上します。

これを償却原価法といいます。

以上、”簿記2級試験 第157回 問3-1(損益計算書)“の解答・解説・ポイントでした。

もし当記事の解説でわからないことがあれば、随時補足させて頂きますので、画面右下のTwitterまたは画面下のお問合せフォームからご連絡下さいm(_ _)m

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ではまた、次の問題の解答・解説でお会いしましょう(*´ω`)ノシ 

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【簿記2級 過去問解説】第157回 問3-2(貸借対照表に表示される項目)