【簿記2級 過去問解説】第157回 問2-2(リース資産減価償却累計額の締切)
「簿記2級検定試験 2020年度 第157回 問2-2(リース資産減価償却累計額勘定の締切)の解答・解説です。(試験問題文は著作権上掲載できませんので、お手元にご用意ください。)
まず解答・解説を示した後、問題を解くに当たってのポイントをまとめておりますので、ぜひ当記事の最後までご覧下さい。
当設問の前提条件
第157回 簿記2級検定試験 問2を解くにあたって、下記の前提条件が与えられています。
前提条件1:リース契約一覧表
各リース資産の基本情報として、下記のリース契約一覧表が与えられています。
前提条件2:会計処理方法
「ファイナンス・リース取引は”利子抜き法“により会計処理すること」
リース料を支払っていく中で、利息金額込みのリース料総額でリース資産に計上する会計処理方法を”利子込み法“といいます。
一方、リース料総額から利息金額を抜いて、純粋なリース資産本体の見積現金購入価額のみでリース資産に計上する会計処理方法を”利子抜き法“といいます。
一般に”利子抜き法“の方が正式な方法とされており、リース資産の減価償却も利子抜き法で行われるのが一般的で、簿記2級の過去問では通常”利子抜き法”での解答を求められます。
前提条件3:定額法の適用
「利息相当額の期間配分および減価償却(記帳方法は間接法)の方法は、残存価額ゼロの定額法によること」
“減価償却累計額=(資産の取得価額ー残存価格)➗耐用年数✖️使用期間“で計算するため、残存価額によって減価償却累計額および減価償却費が変わってきます。
当設問では“残存価額=0円”で減価償却費を計算するよう、指定されています。
問2-2:リース資産減価償却累計額勘定の締切の解答・解説
計算過程は下記の通りです。
上記の計算結果を踏まえ、下記のように”リース資産減価償却累計額”勘定の締切を行います。
なお、期末に各勘定の締切を行うにあたって各イベント発生時の仕訳を行なっておくと、締切を行う勘定科目に対応した勘定科目が一見して分かるため、損益振替の作業がかなり楽になります。
当問題における各イベント発生時の仕訳は下の画像のようになります。
“期末の諸勘定の締切を行う問題“の場合は、問題を読み進めながら各イベント発生時の仕訳を行なうと、問題を解くスピードが上がります。
当問(リース資産減価償却累計額勘定の締切)の場合は、上記仕訳のうち赤枠で示す”リース資産減価償却累計額“勘定に対応した勘定科目の損益振替を行います。
“2018年9月30日:リース資産の減価償却“で発生した”リース資産減価償却累計額(貸方)”に対応した”減価償却費(借方)¥4,632,000“を、リース資産減価償却累計額の締切では逆の貸方に振り替えます。
また”2019年3月31日:リース資産の減価償却“で発生した”リース資産減価償却累計額(貸方)”に対応した”減価償却費(借方)¥4,452,000“を、リース資産減価償却累計額の締切では逆の貸方に振り替えます。
“2018年10月1日:機械Eの返却“で発生したリース資産減価償却累計額(借方)に対応した”リース資産¥24,000,000(貸方)“と、”2018年10月1日:機械Dの一部解約“で発生したリース資産減価償却累計額(借方)¥2,100,000に対応した”諸口¥2,100,000(勘定科目が複数に渡る場合「諸口」を使う)(貸方)“の合計金額¥26,100,000を、リース資産減価償却累計額の締切では逆の借方に振り替えます。
あとは、各ファイナンス・リース資産の使用開始日と現金見積購入価額を踏まえて、減価償却累計額の前期繰越金額算出し、最後に貸借差額から次期繰越金額を算出すれば、リース資産勘定の締切は完了です。(細かい計算過程は上述の通りです)
問題を解くに当たってのポイント
損益振替と締切について
当期収益・費用の残高は次期には引き継がないため、期末に残高を0にして「損益」という勘定科目に振り替える作業が必要です。これを損益振替と呼びます。
以上、”簿記2級試験 第157回 問2-2(”リース資産減価償却累計額”勘定の締切問題)“の解答・解説・ポイントでした。
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ではまた、次の問題の解答・解説でお会いしましょう(*´ω`)ノシ
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