【ebay】商品発送後に受取拒否された時の対応を実例で説明!!(日本郵政編)
ebayセラーあるあるですが、販売数が増えてくると利益が増えて嬉しい反面、バイヤーからの受取拒否も数が増えてきます。
特に昨今は、コロナウイルスにより配送業者の人出不足が深刻になっており、配送遅延を理由としたバイヤーの受取拒否が発生しやすくなっています。
私も先日に1件、受取拒否が来てしまいました…(日本郵便のEMSで発送したのですが、アメリカの郵便局で2週間も止まっていました)
ebayの場合、明らかにバイヤーに過失がある場合を除いて、基本的にバイヤーが優先して保護されるシステムになっており、配送遅延を理由とした受取拒否については、セラーが100%損をすることになります。
セラーはバイヤーに料金を返金してさらに返送料金も負担し、発送料金も当然返ってきません。結果、発送料金と返送料金を損失として計上することになります…
精神衛生上も悪いこの「バイヤーの受取拒否」ですが、落ち込んで何もしないとより大きなダメージを負うことになるので、速やかに対処する必要があります。
当記事では、先日(2022年4月10日)に発生した受取拒否事例(日本郵政のEMS便でアメリカ宛に送った事例)で、損失を最小限に抑える方法を説明させて頂きます。
まず初めに、セラーにとっての前提となるebay運営の「バイヤーの受取拒否」に対する姿勢について確認しましょう。
ebay運営の「バイヤーの受取拒否」に対する姿勢
ebayはバイヤーの保護を主目的とした”eBay Money Back Guarantee policy(eBay返金保証ポリシー)”という規定を定めています。
この規定の中に、”When the buyer doesn’t receive an item(購入者が商品を受け取らない場合)”という章があり、ここに、バイヤーに受取拒否された場合の推奨対応が書かれています。
If the item doesn’t arrive at the address provided by the buyer at checkout or isn’t made available for collection, the buyer is entitled to a full refund, including original shipping costs (if applicable).
商品がチェックアウト時にバイヤーが提供した住所に到着しない場合、または受け取りができない場合、バイヤーは元の送料(該当する場合)を含む全額返金を受ける権利があります。
加えて、この様にも書かれています。
The buyer reports that the item hasn’t arrived or was not available for collection.
購入者が、商品が到着していない、または受け取りに行けなかったと報告した場合
「商品が到着していない」なら、バイヤーは全額返金を受けとることができると重ねて書かれていますね。
支払いだけ受けて発送しない悪質なセラーもいますので、この様にバイヤーを保護するのは当然といえば当然なのですが、問題なのはコロナ禍のせいで配送遅延が頻発している現状でも、この規定が適用されてしまうことです。
今回紹介するケースもそうですが、コロナ禍の現在、最も生じやすいのは「商品が到着していない」という理由で「バイヤーが受取拒否するケース」なのです。
基本的に、下記に示す到着予定日の締切日を過ぎて受取拒否をされた場合、返金対応に応じないとebay運営からの評価が下がり、最悪、セラーレベルを下げられてしまいます。(セラーレベルを下げられてしまうと商品の検索順位を下げられたりといったことが起こり、以降の売上が激減してしまいます)
- Economy Shipping from outside US:発送日から23日後
- Standard Shipping from outside US:発送日から10日後
- Expedited Shipping from outside US:発送日から4日後
- または、商品説明にあらかじめ記載しておいた配送日数を踏まえた配送締切日
逆を言えば、まだ到着予定日を過ぎていないのに配送遅延を理由に受取拒否された場合は、到着予定日になるまではバイヤーに到着を待つように要求することができます。
この場合はいったん受取拒否を認めず、到着予定日の締切日になるまで待つようにバイヤーに連絡しましょう。(ebay運営がこれを理由にあなたの評価を下げる様なことはありません)
到着予定日を超えてバイヤーが受取拒否をした場合、ebayにおいてはバイヤーが優先して保護されますので、気持ちを切り替えるためにも速やかに下記の対応をして、損失を最小限に抑えるようにしましょう。
対応は荷物が国内にあるか、海外にあるかで大きく変わってきます。
荷物が日本国内にある場合
荷物が日本国内にある状態で受取拒否をされた場合、荷物を発送した郵便局の窓口に行って返送依頼を出せば、数日で荷物を返送してもらうことが可能です。(わざわざ窓口まで行かないといけないのは、免許証提示などでの身分証明を行う必要があるからです)
ただし返送にかかった送料については、EMS便の場合は無料ですが、それ以外の国際小包便などの場合は返送料が追加でかかります。
返送料が発生した場合は、支払の際にもらう領収書をしっかりと保管し、損金(帳簿上の勘定科目は「返品送料」になります)として計上しましょう。
損金として計上しておけば、支払う税金を減らすことができます。
ひとつひとつの取引の結果にこだわらず、年間トータルでの利益を最大化するために、損失計上はしっかりと行う様にしましょう。
荷物が海外にある場合(アメリカの事例)
荷物がアメリカにある状態で受取拒否をされた場合、残念ながら、日本郵便は返送依頼を受け付けることができません。
そのため一度、相手に受け取ってもらい、受取拒否としてアメリカの郵便局に返品してもらう必要があります。
具体的には、下記の対応をバイヤーに依頼することになります。
- 商品を一旦受け取ってもらうこと。
- 受け取った商品を開封しないこと。
- 商品の表面に「Refuse to Receive(受取拒否)」と書いた紙を貼って、郵便ポストに投函するか、郵便局に直接持っていってもらうこと。
アメリカの郵便システムでは、「Refuse to Receive」と書いた荷物を投函するだけで簡単に受取拒否できます。
ネット購入に慣れたアメリカ人の大半にとっては常識のことだと重いますが、きちんと具体的な対応を依頼メールに書く様にしましょう。
大切なのは、「返品対応をきちんとしてくれるなら速やかに返金対応いたします」と文面で残すことです。
どのネットショップでも起こっていることですが、残念ながらebayでも「返品詐欺」が多く発生しているため、こうしたやりとりが必要になります。(「返品詐欺」とは、返品せずに音信不通になったり、違うものを梱包して返品したりする詐欺のことです。)
バイヤーへの返金はebayのシステムを通して速やかに行われますが、商品が一旦バイヤーに届いてそれが返品されてから手元に戻るまでは、どうしても時間がかかります。
返金が完了すると、ebayのシステム上、その取引は完了したことになってしまうため、「返金対応に応じた条件として正しく返品対応してもらうことをバイヤーと約束しました」ということを、文面で残さないといけないのです。
この対応をさぼってしまうと、悪質なバイヤーであった場合に返品がなされず、無料で商品を渡して終わるという、最悪の事態もありえます。
返金対応をする前にきちんと文面で返品対応をバイヤーに義務付けておけば、最悪、返品されなかった時に、ebay運営に経緯を説明して支払を受けることができます。
この様な保険をかけるため、具体的には下記の様なメールをバイヤーに送って了承を得る様にしましょう。
返品対応を依頼するメール文
返品対応を依頼するメール文(英語)
Dear ○○○,
Thank you very much for your order in my store.
I am sorry about the delay in delivery.
Unfortunately, your order has already been shipped from Japan. I am unable to handle the return shipping. Therefore, we would appreciate it if you could refuse to receive the package when it arrives as follows.
【How to Refuse Receipt】
・Do not open the package.
・Do not open the package, but write “Refuse to Receive” or “Return to Sender” on a piece of paper and affix it to the package.
・Please put it in your mailbox.
【Please be careful】
・Do not open the package.
・If you open the package, you will be charged for return postage.
If you agree to our handling of refusal to receive, we will refund your money as soon as possible.
If you have any questions, please feel free to contact me.
I look forward to your response.
Sincerely yours,
返品対応を依頼するメール文(日本語)
○○○様へ。
この度は弊店にてご注文いただき、誠にありがとうございました。
配送が遅れて申し訳ございません。
残念ながら、お客様のご注文はすでに日本から発送されました。返送の対応ができません。そのため、お手数ですが、以下の通り、到着時に受け取り拒否をしていただければと思います。
【受取拒否の方法】
開封しないでください。
開封せず、紙に「受取拒否」または「差出人に返送」と記入し、パッケージに貼付してください。
郵便受けに入れてください。
【注意】
・開封しないでください。
・開封された場合、返送料が発生します。
受取拒否の対応にご同意いただけましたら、速やかにご返金させていただきます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご返答をお待ちしております。
敬具
返品対応を依頼するメール文(全てのやりとり)
参考までに、上記の文章を含む実際のバイヤーとのやりとりの全容を下記に示します。
受取拒否のリクエストが来たその日のうちに速やかにコミュニケーションをとったこともあり、きちんと返品対応を行うことに同意すると明記してくれました。
悪質なバイヤーの場合は、一方的に受取拒否のリクエストだけ送ってきてebay運営も巻き込んだ対応もあり得るので、上記のケースはスムーズに対応が終わった事例になります。(悪質なバイヤーばかりではないので、過度に怖がる必要はありません)
基本的には上記の様な数回程度のコミュニケーションで対応が終わりますので、もし今後、受取拒否のリクエストが来たとしても、気持ちを切り替えて速やかに対応しましょう。
ちなみに、最後にバイヤーが返品対応に了承してくれたことについてお礼のメールを送る際、「将来、再度私から購入してくれる機会があれば、価格か送料をいくらか割引させて頂きます」と書いておくと、一度は受取拒否したものの、リピーターになってくれる人が一定数います。
現在の私のリピーターにも何人かこうした方々がいますので、一度の受取拒否に執着せず、長期的な目線でバイヤーとコミュニケーションを行い、セラーアカウントの価値を高めていって頂ければと思います。
EMSで発送すれば返送料金が無料
コロナウイルスやウクライナ問題で世界情勢が不安定な現在、どこの国に発送しても配達遅延が起こる可能性はあり、当然、受取拒否が発生する可能性も増えています。
こうした中でも日本郵便のEMSで発送しておけば、受取拒否による返品が発生しても返送料が無料のため、損失を最小限に抑えることができます。
ebayセラーにとって厳しい状況が続きますが、返送が起こった時の対応を最初から想定し、配送方法などに気をつけていれば、この状況下でもリスクを抑えながら売上を伸ばすことができます。
むしろ今のハードモードに慣れておけば、世界の物流が正常に戻った後はかなり楽に感じると思います。
受取拒否が重なってもそれはあなただけではありません。一緒にこのハードモードを乗り越えていきましょう!!