【簿記二級勉強:No14】練習問題と解説:「仕損費の仕訳」編
当記事では、工業簿記の範囲における「仕損費」の仕訳について解説します。
簿記における「仕損」とは、端的に説明すると製品の製造途中で発生してしまった、品質的に不合格な品のことです。
この「仕損」が生じた品は追加で補修を行えば製品として扱えるものであり、即座に廃棄するのではなく製造指図書とは別に「補修指図書」を発行して、追加のコストをかけて補修を行い、品質的に合格な品にします。
この補修のための追加コストをきちんと「仕損費」勘定で計上しておけば良品の製造コストの一部として扱うことができ、その分だけ売却時の収益が小さくなって税金を少なくすることができます。
この「仕損費」について、練習問題を解いて理解しましょう!!
なお当記事を理解するには、仕訳をするにあたっての「簿記における基本ルール(借方・貸方への記載ルール)」を把握しておく必要があります。
仕訳の基礎知識に少し不安がある方はこちらの記事を併せて読むと早く理解できると思います。
それでは、練習問題を解いていきましょう!!(`・ω・́)ゝ
今回は全部で5問用意しています!
【練習問題1】
【問題】
A 社工場の生産ラインで仕損が生じ、補修製造指図書No10-2を発行した。補修の際、材料¥3,000、賃金¥2,000を消費した。
A社の立場で仕訳を行え。
【解答】
仕損のために補修製造指図書を発行したら、補修のための各種費用をいったん仕掛品勘定に計上します。
【練習問題2】
【問題】
練習問題1の補修製造指図書No10-2の補修が終了した。補修製造指図書No10-2に集計された製造原価の累計額は¥19,000であった。これを、仕掛品勘定から仕損費勘定の借方に振り替えた。
これらの処理について仕訳を行え。
【解答】
補修すれば製品として扱えるレベルの製造不良の場合は仕損として扱うため、補修製造指図書に集計された製造原価が「仕損費」勘定となります。
【練習問題3】
【問題】
練習問題2の仕損費¥19,000を製造間接費として計上した。
これらの処理について仕訳を行え。
【解答】
補修に要した仕損費を間接経費として処理するケースで、この場合は「仕損費」勘定を「製造間接費」勘定に振替ます。
【練習問題4】
【問題】
製造指図書NO.20の全部が仕損となり、代品を製造した。
なお旧指図書の製造原価は¥30,000であり、仕損品の評価額は8,000と見積もられた。
評価額を控除した残額を仕損費勘定に振り替えた。
これらの処理について仕訳を行え。
【解答】
補修ができないレベルで製造不良が発生し、製造指図書内の品の全てが仕損になった場合、旧指図書に集計された製造原価(仕掛品勘定、借方)から「仕損品」の評価額を控除した金額が「仕損費」となります。
【練習問題5】
【問題】
練習問題4の製造指図書N0.20の仕損費を直接経費として処理した。
これらの処理について仕訳を行え。
【解答】
仕損費を直接経費として計上する様な場合、代品製造指図書の製造原価に仕損費を加算します。
そのため、仕損費勘定から仕掛品勘定に振替を行います。
以上、練習問題とその解説でした。
適切な仕訳ができる様になるための近道はなく、たくさんの取引ケースについての仕訳を行うか、仕訳に関する問題をたくさん解いて経験を積む必要があります。
当ブログでは、実務に使える簿記2級の範囲の仕訳問題をたくさん取り扱っていますので、ぜひ一緒に学んでいきましょう♪
以上、【簿記二級勉強:No14】練習問題と解説:「仕損費の仕訳」編でした。
なお、これらの作業は手作業でやれば修正作業等も含めて非常に手間のかかるものですが、近年は「クラウド会計ソフト」が目覚ましい進化を遂げているため、これらのソフトを使うことで作業コストを大幅に減らすことができます。
これらのソフトは個人事業主レベルの会計であれば月1,000円程度の料金で使えますし、この料金は経費として計上できるため、金銭的な負担も少ないです。
なお、簿記の知識を持っている人はこうしたソフトを使わなくても問題無いかもしれませんが、青色申告などで税金控除を65万円満額受けるには、国が認めた「複式簿記に対応した会計ソフト」を使う必要がありますので、注意しましょう。
ちなみに、どの会計ソフトを使うか悩まれている方には、私も使っている「MoneyForwardクラウド確定申告」がおすすめです。
自分の事業に併せた勘定科目の設定を、他のクラウド会計ソフトよりも細かく行えるため、あとで仕訳にミスがあったことに気づいても、簡単に修正を行うことができます。
独学での簿記の学習は難しいと感じている方へ
私が実際に利用している、個別で質問し放題の通信講座「クレアール」がおすすめです。
クレアールの特筆すべき点は、約3万円という破格の料金で、メールと電話口頭での質問をし放題というところです。
他の通信講座と比較しても安価なため、安価故に品質を心配される方もいますが、実際に利用している私としてはその安価の大きな理由は「資格受験指導歴52年」という教育ノウハウの蓄積があるからだと感じています。
実際にクレアールの質問窓口に質問をすると、基本的に2〜3日営業日中に非常にわかりやすい回答が返ってきます。
これは、52年間もの長い間、数多くの質問対応をしてきたからこそ、できることだと考えます。
そして、そうした質問対応ノウハウが既に積み上がっているからこそ、改めて多大なコストかけて料金を引き上げる様なことをしていないのだと思います、
またそうしたノウハウ蓄積による余裕があるからか、問題集やテキストに関する内容はもちろん、自身の事業の帳簿付に関連した質問にも、正しい簿記の知識を持ったクレアールの講師陣が的確に答えてくれます。
これにより100%実務で使える簿記スキルを身につけることができるのも、私がクレアールをおすすめする理由です。
最後に
少子高齢化が進む現代日本は、高齢者の社会保証を支えるために毎年すごい勢いで増税が続いています。
まじめな話、節税する力を身につけなければ、数年後には所得の50%が税金として持ってかれる様な状況にもなりかねません。
満員電車に毎日乗って、へとへとになるまで会社に尽くした結果、給料の50%が持っていかれるなんて、あまりにも酷過い状況です…
ですが、これが日本の現状なのです。
学校では、国にとって都合の悪い節税のための知識なんて、一切教えてくれません。
だからこそ節税のための知識、すなわち「簿記」の知識を自分から学び、積極的に節税を行なっていく必要があります。
当ブログでは、実際に節税対応に用いる簿記の知識を紹介していきますので、節税をしたい人・簿記の資格取得をしたい人は、ぜひ当ブログで学んで頂ければ幸いです。
また、簿記だけでなくその他の家計を楽にする方法や、資産運用に関する知識等を最速で網羅的に得たい方は、リベ大の両学長が執筆した書籍「お金の大学」を読むことをおすすめします。
私が給料の上がらない会社を辞めてebay事業で独立した際も、こちらの書籍の内容は非常に参考になり、合計で50万円近く起業時の費用を抑えたり、手堅い投資を開始することができました。
|
当ブログで解説している「簿記2級」の知識は、学べば学ぶほど手元に残せるお金を増やせる知識です。
ぜひ一緒に「簿記2級」の知識を学び、大増税時代の日本を上手く生き抜いていきましょう!!(`・ω・́)ゝ
最後に、ここまで読んでくれたあなたに心からの感謝を。ありがとうございました(* ᴗ ᴗ)⁾⁾