【簿記二級解説:No12】練習問題と解説:「銀行勘定調整」編
当記事では「銀行勘定」すなわち銀行を介した取引の、調整仕訳について解説します。
簿記における「銀行勘定調整」とは、事業者の預金残高と帳簿上残高の不一致が生じた際に行う訂正仕訳のことを言います。
例えば、銀行を介した取引をする場合、自身または取引先が銀行に対して手続き等を行う必要がありますが、自身と取引先の間で取引契約等を結んだ後、銀行における手続対応等が抜けていることによるトラブルが生じることがあります。
また、取引先からではなく銀行からお金の振込・引落が行われると、それが何の取引に関連した振込・引落なのか分からず、帳簿付を正しく行えない時もあります。
こうした場合に後で調査した内容を帳簿に正しく反映するため、「銀行勘定調整」が行われます。
この「銀行勘定調整」について、練習問題を解きながら理解していきましょう!!
なお当記事を理解するには、仕訳をするにあたっての「簿記における基本ルール(借方・貸方への記載ルール)」を把握しておく必要があります。
仕訳の基礎知識に少し不安がある方はこちらの記事を併せて読むと早く理解できると思います。
それでは、練習問題を解いていきましょう!!(`・ω・́)ゝ
【練習問題1】
【問題】
A社が仕入先のB社に買掛金支払のために振り出した小切手¥100,000が、銀行に未呈示であった。
必要に応じて、銀行勘定調整を行え。
【解答】
銀行勘定調整は事業者の帳簿に訂正が必要な時に行う作業であり、当問の場合、A社が正しく帳簿付を行なった後にB社が銀行に小切手を呈示していないケース、いわゆる「未取付小切手」のケースであるため、訂正仕訳は必要ありません。
そのため解答としては「仕訳なし」となります。
【練習問題2】
【問題】
A社の帳簿において、A社当座預金口座から銀行に自動引き落としされた電気代(「水道光熱費」勘定で計上)¥8,500が記帳漏れになっていた。
必要に応じて、A社の立場で銀行勘定調整を行え。
【解答】
A社側の記帳漏れであり、A社の帳簿に訂正が必要なので「訂正仕訳」を行います。
【練習問題3】
【問題】
A社は現金¥80,000を銀行に預け入れたが、銀行側の管理システム上、口座残高への反映は翌日入金となっていた。
必要に応じて、A社の立場で銀行勘定調整を行え。
【解答】
いわゆる「時間外預入」であり、銀行の口座情報更新を待つのみで事業者の帳簿上の訂正は必要ありません。
そのため、解答としては「仕訳なし」となります。
【練習問題4】
【問題】
A社の取引先B社より売掛金¥110,000がA社当座預金口座に振り込まれていたが、A社側で記帳漏れになっていた。
必要に応じて、A社の立場で銀行勘定調整を行え。
【解答】
A社側の記帳漏れでA社の帳簿に訂正が必要なので、訂正仕訳を行います。
【練習問題5】
【問題】
A社がB社への掛代金の支払のために振り出した小切手¥280,000が未だにB社に手渡されておらず、A社金庫に保管されたままであった。
必要に応じて、A社の立場で銀行勘定調整を行え。
【解答】
A社側のミスで、実際にB社に小切手を渡しておらずお金の移動が発生しない状況なので、小切手を振り出した際に費用として借方に計上していた買掛金を、もとの当座預金に振り替える訂正仕訳を行います。
以上、練習問題とその解説でした。
適切な仕訳ができる様になるための近道はなく、たくさんの取引ケースについての仕訳を行うか、仕訳に関する問題をたくさん解いて経験を積む必要があります。
当ブログでは、実務に使える簿記2級の範囲の仕訳問題をたくさん取り扱っていますので、ぜひ一緒に学んでいきましょう♪
以上、【簿記二級解説:No12】練習問題と解説:「銀行勘定調整」編でした。
なお、これらの作業は手作業でやれば修正作業等も含めて非常に手間のかかるものですが、近年は「クラウド会計ソフト」が目覚ましい進化を遂げているため、これらのソフトを使うことで作業コストを大幅に減らすことができます。
これらのソフトは個人事業主レベルの会計であれば月1,000円程度の料金で使えますし、この料金は経費として計上できるため、金銭的な負担も少ないです。
なお、簿記の知識を持っている人はこうしたソフトを使わなくても問題無いかもしれませんが、青色申告などで税金控除を65万円満額受けるには、国が認めた「複式簿記に対応した会計ソフト」を使う必要がありますので、注意しましょう。
ちなみに、どの会計ソフトを使うか悩まれている方には、私も使っている「MoneyForwardクラウド確定申告」がおすすめです。
自分の事業に併せた勘定科目の設定を、他のクラウド会計ソフトよりも細かく行えるため、あとで仕訳にミスがあったことに気づいても、簡単に修正を行うことができます。
独学での簿記の学習は難しいと感じている方へ
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最後に
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当ブログで解説している「簿記2級」の知識は、学べば学ぶほど手元に残せるお金を増やせる知識です。
ぜひ一緒に「簿記2級」の知識を学び、大増税時代の日本を上手く生き抜いていきましょう!!(`・ω・́)ゝ
最後に、ここまで読んでくれたあなたに心からの感謝を。ありがとうございました(* ᴗ ᴗ)⁾⁾