【簿記二級解説:No9】赤字決算における一連の経理処理

守る力

増税増税また増税…(´◦ω◦`)

少子高齢化の進んだ現代日本は、若者にとってかなりハードモードな国になってしまいましたね…(´・ω・`)

当記事ではそんな日本で生き抜くために、「節税」の知識である「赤字決算における一連の経理処理」について解説させて頂きます!!(`・ω・́)ゝ

なお当記事を理解するには、「決算における一連の手続きの基礎」について理解する必要があります。

決算時の一連の手続きについて理解が浅い方は、当記事と併せて下記の記事を読むと理解がしやすいかと思います。

「赤字決算」とは、簿記的にはどういう状況?

赤字決算とは、簿記的には損益計算書において当期順損失を計上することを言います。

赤字決算の場合、その事業年度の利益が無いことになりますので、翌年の所得税と住民税の支払がゼロになるというメリットがあります。

またそれだけではなく、適切に赤字を計上して国に申告することで次の事業年度にその「赤字(経理上は「当期順損失」という勘定科目で計上)」を繰越し、次の事業年度における税金を下げることができます

適切に経理処理できれば税金の面で大きなメリットが得られる「赤字決算」について、簡単な練習問題を解いて理解しましょう!

【練習問題】

個人事業主であるAさんは、12月31日(日本の税法で個人事業主は「12月31日」が決算日とさだめられている)決算日として、英米式簿記法(決算の中で「貸借対照表」を作成する簿記法のこと)を採用している。

Aさんは、下記に示す決算整理後残高試算表(後T/B)まで作成が完了している。
protect-money-009 決算整理後残高試算表(後T/B)

上記の情報を踏まえ、下記の問に答えよ。
【問1】決算振替仕訳を作成せよ。
【問2】「損益」勘定および「繰越利益剰余金」勘定締切を行え。
【問3】損益計算書を作成せよ。
【問4】貸借対照表を作成せよ。
【問5】精算表を作成せよ。

【問1】「決算振替仕訳を作成せよ」の解答

決算振替仕訳は、当事業年度内(以降「当期」という)売れた商品の売上金額仕入金額を記載します。

なお、決算振替仕訳の借方・貸記入の考え方は、「資産」としての増減で考えます。

そのため、「売上」は「資産の増加」と解釈して借方へ、「仕入」は「資産の減少」と解釈して貸方へ記入します。
protect-money-009 決算振替仕訳

【問2】「損益勘定および繰越利益剰余金勘定の締切を行え」の解答

損益」勘定については、決算整理後残高試算表(後T/B)より、当期に売れた商品の売上金額その仕入金額を計上する。(在庫すなわち「繰越商品」の金額は計上しない
protect-money-009 損益勘定

繰越利益剰余金」勘定については、決算振替仕訳よりもとめた「繰越利益剰余金」勘定の金額を計上する。

当期の様に「純損失」を計上する場合は、借方に「損益」を計上し、対応する貸方には「次期繰越」勘定を計上する。
protect-money-009 繰越利益剰余金勘定

【問3】「損益計算書を作成せよ」の解答

損益計算書については、売上高を「収益の発生」と解釈して貸方に、その売上原価を「費用の発生」と解釈して「借方」に計上します。

そしてその差額を、今回の場合は費用の方が収益よりも多いので「当期純損失」として計上します。
protect-money-009 損益計算書

【問4】「貸借対照表を作成せよ」の解答

貸借対照表については、資産として「現金」と「商品(売れ残った在庫)」を借方に、純資産である「資本金」と「繰越利益剰余金」を貸方に計上します。(「順損失」も「繰越利益剰余金」として計上する)
protect-money-009 貸借対照表

【問5】「精算表を作成せよ」の解答

精算表は、決算整理後残高試算表(後T/B)決算振替仕訳損益計算書貸借対象表などの情報を集約して作成するが、その際の注意点としては、「売れ残った商品」と「売り上げた商品」を区別して計上するである。

「試算表」欄では、「売れ残った商品」と「売り上げた商品」を区別せず両方の原価合計を「仕入」勘定として計上する。

「修正記入」欄では、売れ残った商品の原価を、来期に繰り越す「繰越商品」勘定で計上する。

「損益計算書」欄と「貸借対照表」欄には、基本的に元の表の借方・貸方の勘定科目をそのまま転記し、損失である「繰越利益剰余金」借方に計上するよう注意する。
protect-money-009 精算表

以上が解説になります。

解説を見て分かるとおり、仕訳さえ適切に行えれば、赤字決算の一連の経理処理は簡単に行えます

適切な仕訳ができる様になるための近道はなく、たくさんの取引ケースについての仕訳を行うか、仕訳に関する問題をたくさん解いて経験を積む必要があります。

当ブログでは、実務に使える簿記2級の範囲の仕訳問題をたくさん取り扱っていますので、ぜひ一緒に学んでいきましょう♪

以上、【簿記二級解説:No9】赤字決算における一連の手続きでした。

なお、これらの作業は手作業でやれば修正作業等も含めて非常に手間のかかるものですが、近年は「クラウド会計ソフト」が目覚ましい進化を遂げているため、これらのソフトを使うことで作業コストを大幅に減らすことができます。

これらのソフトは個人事業主レベルの会計であれば月1,000円程度の料金で使えますし、この料金は経費として計上できるため、金銭的な負担も少ないです。

なお、簿記の知識を持っている人はこうしたソフトを使わなくても問題無いかもしれませんが、青色申告などで税金控除を65万円満額受けるには、国が認めた「複式簿記に対応した会計ソフト」を使う必要がありますので、注意しましょう。

ちなみに、どの会計ソフトを使うか悩まれている方には、私も使っている「MoneyForwardクラウド確定申告」がおすすめです。

自分の事業に併せた勘定科目の設定を、他のクラウド会計ソフトよりも細かく行えるため、あとで仕訳にミスがあったことに気づいても、簡単に修正を行うことができます。


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最後に

少子高齢化が進む現代日本は、高齢者の社会保証を支えるために毎年すごい勢いで増税が続いています。

まじめな話、節税する力を身につけなければ、数年後には所得の50%が税金として持ってかれる様な状況にもなりかねません。

満員電車に毎日乗って、へとへとになるまで会社に尽くした結果、給料の50%が持っていかれるなんて、あまりにも酷過い状況です…

ですが、これが日本の現状なのです。

学校では、国にとって都合の悪い節税のための知識なんて、一切教えてくれません。

だからこそ節税のための知識、すなわち「簿記」の知識を自分から学び、積極的に節税を行なっていく必要があります。

当ブログでは、実際に節税対応に用いる簿記の知識を紹介していきますので、節税をしたい人・簿記の資格取得をしたい人は、ぜひ当ブログで学んで頂ければ幸いです。

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当ブログで解説している「簿記2級」の知識は、学べば学ぶほど手元に残せるお金を増やせる知識です。

ぜひ一緒に「簿記2級」の知識を学び、大増税時代の日本を上手く生き抜いていきましょう!!(`・ω・́)ゝ

最後に、ここまで読んでくれたあなたに心からの感謝を。ありがとうございました(* ᴗ ᴗ)⁾⁾