【簿記二級解説:No6】決算における一連の手続き(前編)
増税増税また増税…(´◦ω◦`)
少子高齢化の進んだ現代日本は、若者にとってかなりハードモードな国になってしまいましたね…(´・ω・`)
当記事ではそんな日本で生き抜くために、「節税」の知識である「決算における一連の手続き(前編)」について解説させて頂きます!!(`・ω・́)ゝ
簿記における「一連の手続き」とは?
「決算における一連の手続き」とは、ある「事業年度」における下記資料の作成作業のことを言います。
- 期中取引仕訳
- 決算整理前残高試算表(略称:前T/B)
- 決算整理仕訳
- 決算整理後残高試算表(略称:後T/B)
- 決算振替仕訳
- 総勘定元帳の締切
- 損益計算書(略称:P/L)
- 貸借対照表(略称:B/S)
- 精算表
なお「事業年度」は法律の一つである「税法」によって定められており、法人の場合は自由に事業年度の開始日を決められることになっていますが、を個人事業主の場合は確定申告の期間である「1月1日〜12月31日」の期間と定められています。
そのため、個人事業主として起業した最初の事業年度の場合、起業日(国に開業届けを出して個人事業主として国に登録された日)から、個人事業主としての決算日(確定申告の算定期間の最終日12月31日)までの期間が、最初の事業年度の期間となります。
当記事「決算における一連の手続き(前編)」では、「個人事業主の最初の事業年度における上記1〜5の資料作成方法」について、練習問題を解きながら解説させて頂きます。
【練習問題】
【練習問題】
2021年1月1日〜12月31日の期間内に、
下記の様な取引があった。(期中取引)
10月 1日:個人事業主として独立し、
事業用の資金として
現金¥50,000を計上した。
11月15日:単価¥5,000の商品を3つ、
現金で仕入れた。
12月25日:上記で仕入れた商品のうち2個を
単価¥20,000で売り上げ、
現金で支払いを受けた。(決算整理事項)
期首商品棚卸高はゼロで、
期末商品棚卸高は¥5,000であった。
【問1】期中取引仕訳を行え
【問2】期中取引仕訳を踏まえ、決算整理前残高試算表(前T/B)を作成せよ。
【問3】決算整理事項を踏まえ、決算整理仕訳を作成せよ。
【問4】前T/Bと決算整理仕訳を踏まえ、決算整理後残高試算表(後T/B)を作成せよ。
【問5】後T/Bを踏まえ、決算振替仕訳を作成せよ。
【問1】「期中取引仕訳を行え」の解答
「期中取引仕訳」とは、ある事業年度における全ての取引の仕訳のことである。
なお個人事業主における最初の事業年度の場合は、「その年の起業日からその年の12月31日までの期間」を期中とする。
10月1日の仕訳については、自身で用意していた現金を資本金として計上します。(借方・貸方の記載ルールについて理解が少し浅い方は、こちらの記事で解説しておりますので、併せてご覧ください)
この場合、現金を「資産の増加」と解釈して借方に、資本金を「純資産の発生」と解釈して貸方に記載します。
11月15日の仕訳については、仕入総額¥15,000(=¥5,000✖️3個)を、仕入すなわち費用の発生と解釈して借方に計上します。
そして、現金¥15,000の減少を「資産の減少」と解釈して貸方に計上します。
12月25日の仕訳については、売上総額¥40,000(=¥20,000✖️2個)を、売上すなわち収益の発生と解釈して貸方に計上します。
そして、支払として受けとった現金¥40,000の増加を「資産の増加」と解釈して借方に計上します。
以上より、期中取引の仕訳は下記の様になります。
【問2】「期中取引仕訳を踏まえ、決算整理前残高試算表(前T/B)を作成せよ」の解答
決算整理前残高試算表では、仕入のうち、その事業年度中に売れたものと売れなかったものとを区別せず、まとめて「仕入」勘定で計上します。
一方、「現金」勘定については、「仕入」による減少と「売上」による増加を踏まえた残高を記載します。
そのため、決算整理前残高試算表(T/B)は下記の様になります。
【問3】「決算整理事項を踏まえ、決算整理仕訳を作成せよ」の解答
期首商品棚卸高とは前事業年度末期に残っていた在庫のことで、当問は事業を起業した最初の年度に関する問題なので、期首商品棚卸高はゼロです。
期末商品棚卸高とは当事業年度末に残っている在庫のことで、売れ残った商品1個の金額¥5,000が該当します。
期末に残っている在庫は来年度に「繰り越す」ため、「繰越商品」勘定で計上します。
よって、決算整理仕訳は下記の様になります。
【問4】「前T/Bと決算整理仕訳を踏まえ、決算整理後残高試算表(後T/B)を作成せよ」の解答
決算整理後残高試算表(後T/B)では、仕入のうち、当年度中に売れたものと、売れ残って来年度に繰り越すものとを区別して計上します。
そのため、決算整理後残高試算表(後T/B)は下記の様になります。
【問5】「後T/Bを踏まえ、決算振替仕訳を作成せよ」の解答
決算振替仕訳では、当年度中の売上金額と、その売り上げた商品の仕入金額を計上し、在庫情報は記載しません。
そのため、決算振替仕訳は下記の様になります。
以上が解説になります。
解説を見て分かるとおり、仕訳さえ適切に行えれば、決算の一連の手続きに必要な資料作成は簡単に行えます。
適切な仕訳ができる様になるための近道はなく、たくさんの取引ケースについての仕訳を行うか、仕訳に関する問題をたくさん解いて経験を積む必要があります。
当ブログでは、実務に使える簿記2級の範囲の仕訳問題をたくさん取り扱っていますので、ぜひ一緒に学んでいきましょう♪
以上、【簿記二級解説:No6】決算における一連の手続き(前編)でした。
なお、これらの作業は手作業でやれば修正作業等も含めて非常に手間のかかるものですが、近年は「クラウド会計ソフト」が目覚ましい進化を遂げているため、これらのソフトを使うことで作業コストを大幅に減らすことができます。
これらのソフトは個人事業主レベルの会計であれば月1,000円程度の料金で使えますし、この料金は経費として計上できるため、金銭的な負担も少ないです。
なお、簿記の知識を持っている人はこうしたソフトを使わなくても問題無いかもしれませんが、青色申告などで税金控除を65万円満額受けるには、国が認めた「複式簿記に対応した会計ソフト」を使う必要がありますので、注意しましょう。
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これにより100%実務で使える簿記スキルを身につけることができるのも、私がクレアールをおすすめする理由です。
最後に
少子高齢化が進む現代日本は、高齢者の社会保証を支えるために毎年すごい勢いで増税が続いています。
まじめな話、節税する力を身につけなければ、数年後には所得の50%が税金として持ってかれる様な状況にもなりかねません。
満員電車に毎日乗って、へとへとになるまで会社に尽くした結果、給料の50%が持っていかれるなんて、あまりにも酷過い状況です…
ですが、これが日本の現状なのです。
学校では、国にとって都合の悪い節税のための知識なんて、一切教えてくれません。
だからこそ節税のための知識、すなわち「簿記」の知識を自分から学び、積極的に節税を行なっていく必要があります。
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ぜひ一緒に「簿記2級」の知識を学び、大増税時代の日本を上手く生き抜いていきましょう!!(`・ω・́)ゝ
最後に、ここまで読んでくれたあなたに心からの感謝を。ありがとうございました(* ᴗ ᴗ)⁾⁾