投資の基礎知識:板読み(パート2)【板寄せの仕組み】

増やす力

デイトレードで最も勝率の高い時間帯市場が開いてからの30分程度であり、この大きなチャンスをものにするには、取引開始時の株価がどの様に決まっているのかを、しっかりと理解する必要があります。

今回のパート2では、取引開始時の株価が決まるプロセス、すなわち「板寄せ」について、解説させて頂きます。

なお、今回の記事を理解するには約定の優先順位を理解しておく必要がありますので、「価格優先の原則」および「時間優先の原則」について聞き覚えが無いという方は、前回の記事「板読み(パート1)【チャートよりも早く株価の動向が分かる!!】」を合わせてご覧ください。

「板寄せ」って何?

日本での株取引は、AM9:00〜AM11:30の前場と、PM12:30〜15:00の後場に分かれています。

前場後場が始まる直前に市場の投資家から売買注文が集まり、取引開始時点の最初の株価が決まることを「板寄せ」と言います。

この「板寄せ」で最初の株価がどの様に決まるかというと、売り注文と買い注文、それぞれの成行注文・指値注文を合算して、売りと買いの株数が近くなる価格に決まります。

文章だけではイメージが掴みづらいと思いますので、下記の様な板情報を例に説明させて頂きます。
板読みの解説用サンプルとしての板情報

前回のパート1で解説した様に、まずは成行注文最優先で約定します。この板の場合だと、成行の買い注文1,700株と、成行の売り注文600株最優先で成立することになります。

板寄せの説明。まずは成行注文が最初に約定する。

しかし、このままでは買い注文に対して売り注文が1,100株足りず、また成行注文同士であることから取引の値段がまだ決まりません

成行注文の次は、「価格優先の原則」により、価格の低い指値売り注文(OVERの指値買い注文200株)価格の高い指値注文(UNDERの指値売り注文300株)が成立することになります。
板読みの解説。「価格優先の原則」を踏まえた約定について。

しかし、まだ売り注文が1,000株足りません。そこで引き続き「価格優先の原則」から、UNDERの次に価格の低い918円の指値売り注文200株929円の指値売り注文300株が約定します。
板読みの解説。価格優先の原則による約定の説明。

しかしこれでもまだ売り注文が500株足りませんので、今度は価格優先の原則から次に価格の低い930円の指値売り注文が優先されます。

ただ930円の株は900株あり、今度は売り注文が多すぎる状態になっています。この場合、「時間優先の原則」によって930円の指値売り注文のうち早く出された売り注文から500株が約定の対象となります。
板寄せの解説。時間優先の原則による約定。

よって、板寄せ時点の開始値は930円になるのです。

なお、この時点で930円で売り注文をした400株は板に残ることとなります。

以上、今回は投資の基礎知識::板読み(パート2)【板寄せの仕組み】について説明させて頂きました。

次回の投資の基礎知識:板読み(パート3)【勝ちたいなら「強い板」で戦うべき】では、デイトレーダーが勝つための最重要条件、「強い板でトレードする」について解説させて頂きますので、ぜひ当記事と併せてごらん下さい。

株式投資は正しい知識・メンタルを身につければ、手堅く資産を増やしていける立派なスキルです。

これからも、ぜひ一緒に学びながら資産を手堅く増やしていきましょう(`・ω・́)ゝ

最後に、ここまで読んでくれたあなたに心からの感謝を。ありがとうございました(* ᴗ ᴗ)⁾⁾