投資の基礎知識:移動平均線(パート3)【損切りポイントがいずれ売りポイントになる】

増やす力

パート1では「移動平均線とは何か」を。
パート2では「移動平均線から大きな買い時サイン、すなわちゴールデンクロスの読み取る方法」を、解説させて頂きました。

今回のパート3では、移動平均線を用いた手堅い「売り」の手法を解説させて頂きます。

1.よく聞く売りのサイン「デッドクロス」について

「25日線が75日線を上から下にクロスした交差点」を、デッドクロスと言います。

このデッドクロスの実例を下図に示します。(下図はTrading View 【住友倉庫(2021年11月28日時点)から引用したチャートに筆者が説明を追記したものです】)
デッドクロスの実例

いずれのデッドクロスも、株価が下落トレンドに入った時のサインとして、うまく働いてくれてますね。

特に、200日移動平均線の上でデッドクロスが発生している時は、大きく株価が下落する前の売りのサインとして非常にうまく働いてくれています。

トレンドの天井とまではいかないものの、一つの売りの判断基準として25日線と75日線のデッドクロスが有効であることがわかります。

2.問題は「デッドクロス」を確認後に売却するまでの時間的余裕が少ないこと

上記の通り、デッドクロスの見極めはゴールデンクロスよりも簡単なのですが、大きな問題があります。

それは、デッドクロスが発生した後に株価がすぐに大きく下落しており、時間的な余裕が非常に少ないことです。

勘の良い方はお気づきかも知れませんが、デッドクロスを確認してから売り注文を出してしまうと、売りが約定が間に合わず、下落したところで売りが約定することが多いです。そのため利益が薄くなったり、最悪、損失が発生してしまいます

デッドクロスを確認してから売り注文を発注する投資スタイルでは、常にチャート画面に張り付いておかなければなりませんし、売りの度に「一刻も早く売らなければ」と神経をすり減らすことになり、人生の中での投資の負荷があまりにも大きくなってしまいます

私たち人間は感情を持った生き物であり、手堅く投資で勝ち続けるためには、精神に負担をかけずに投資を継続する必要があります

そのため、デッドクロスを確認してから売り注文を開始することはあまりおすすめできません

3.買ったらすぐに「逆指値」で売り注文を出す

株を買ったらすぐに「逆指値」で売り注文を自動設定しておきましょう

これは、手堅く投資で勝ち続けるための最重要事項と言っても過言ではありません。

以前にこちらの記事でも解説させて頂きましたが、人間は何かを決断する際に、もの凄くメンタルを消耗します

特に、その株式の売買成績が決定してしまう「売り」の決断大きな迷いを伴うため、株式投資の中で最もエネルギーを使う作業と言ってよいでしょう。

これは投資を実際に始めてみると実感することなのですが、人は感情を持つ生き物故に、利益が出ていても損が出ていても、根拠の無い明るい未来を期待して売ることを決断できないのです。

だからこそ、最初から大きな迷いを伴うと分かっている決断は、以前にこちらの記事で紹介した「損切り」と同じく自動化する必要があります。

3.具体的にはどの様に「売り注文」を出せば良いの?

結論、買ったその日のうちに、「75日線の株価」を逆指値した売り注文を設定しましょう

前回のパート2で解説した様に、買いに入るのは75日線が上向きになった時です。

そのトレンドが正しく上昇トレンドであった場合、株価は上昇を続けて利益が増えていきますが、未来を確実に予測することはできませんので、株価の下落に巻き込まれた際に自動で損切りをするよう、75日線を上から下に抜けたところの価格で「逆指値売り」注文を出しておきます

その後、想定した通りに買った株が上昇トレンドに乗ってどんどん利益が増えていった場合、この間にすることも株を買った日の損切り設定と同じで、上昇していく75日線に合わせて損切りのポイントを引き上げていきます

すると、ある時点から損切りのポイントが利益確定のポイントに変わるのです
75日移動平均線上の損切りポイントがいずれ利益確定ポイントとなる。
やがてトレンド上昇の勢いが弱まり株価が75日線に近づいてくると、利益確定を準備します。

最終局面、株価が75日線を上から下に抜けた瞬間、設定していた逆指値注文によって売買取引が約定し、利益が確定します

以上が、具体的な75日線を基準にした「売り注文」の出し方です。

損切りをしながら利益を狙うこの「売り」の手法は、守りに優れた手堅い手法であり、メンタルへの負荷も非常に少なくて済みます

一日中PCを確認できる方はもちろん、日中は会社業務で売買注文を出せないサラリーマンの方も実践可能な方法ですので、取り入れて頂ければ幸いです。

4.負けなければ自ずと勝ちになる

私の尊敬するトレーダー、テスタさんの座右の銘です。

この言葉が意味するところは、損失を小さく限定し続けて、数回、大きなトレンドに乗ることができれば、トータルで利益が残るということです。

数千円〜数万円の損切りが3、4回と続いても、狙った上昇トレンドに1度でも乗せることができれば、1回で十分な利益を回収することができます

数回の小さな損失に焦らず、トータルで勝ちにいくことを目指していきましょう。

以上、投資の基礎知識:移動平均線(パート3)【損切りポイントがいずれ売りポイントになる】について説明させて頂きました。

株式投資は正しい知識・メンタルを身につければ、手堅く資産を増やしていける立派なスキルです。

これからも、ぜひ一緒に学びながら資産を手堅く増やしていきましょう(`・ω・́)ゝ

最後に、ここまで読んでくれたあなたに心からの感謝を。ありがとうございました(* ᴗ ᴗ)⁾⁾